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甲状腺がん

甲状腺癌は若年層や女性に多いですが、未分化癌は50歳以上の男女に多く発症します。こちらでは甲状腺の病気のひとつ「甲状腺がん」の種類や原因・症状・治療法や予後などについて解説します。

圧倒的に女性に多い甲状腺癌

甲状腺の悪性腫瘍には甲状腺乳頭癌、甲状腺濾胞癌、甲状腺未分化癌、甲状腺髄様癌、甲状腺悪性リンパ腫、甲状腺の微小癌などがあります。悪性腫瘍の約85%が発育の遅い甲状腺乳頭癌で、約9%が甲状腺濾胞癌とのデータがあります。

甲状腺癌は、治癒率の低い未分化がんを除けば、一般的に進行が遅く治りやすいがんであります。

甲状腺乳頭癌、甲状腺濾胞癌の発症は女性の40代が最も多く、ついで30代、20代となり、10代に発症することもあります。

きわめて予後の悪い甲状腺未分化癌は50歳以上に多く、こちらはほぼ男女同数です。甲状腺髄様癌は約30%が遺伝性です。

甲状腺癌の種類や原因・症状・治療法や予後

  • 種類

甲状腺乳頭癌、甲状腺濾胞(ろほう)癌、甲状腺未分化癌、甲状腺髄様癌、甲状腺悪性リンパ腫、甲状腺の微小癌

  • 原因

甲状腺がんの原因は、まず遺伝です。 家族に内分泌の癌を発症した人がいる場合は要注意です。もし髄様性癌が多い家系なら日ごろから定期検査を行うことが重要です。

他の甲状腺がんの原因は、放射能を多量に浴びることです。 原発事故では放射能を多量に浴びた多くの人が甲状腺がんを患っています。また治療による被爆が原因になることもあります。

しかし、甲状腺髄様がんの一部以外ははっきりと原因は分かっていません。

  • 症状

甲状腺がんの自覚症状として「しこり」が挙げられますが、自分で触って発見できるくらいのしこりは、もう大きく育ってしまっています。そうなる前の自覚症状としては、ホルモン分泌異常による極度の冷えやだるさ、やる気の減少などがあり、 あまりにも手が冷えすぎて物を掴む事も出来なくなることもあります。単なる冷え性だと放置しがちですが、すぐに病院を受診するようにしましょう。

また、無気力というと心療内科を訪れがちで、甲状腺機能の低下が原因であると判明するには時間がかかります。 他の自覚症状としては、熱っぽさがあります。

  • 治療法

甲状腺がんの治療内容はがんの種類によって異なり、生命の危機がせまっている場合とそうでない場合に分かれます。

基本的な治療は、癌の部位を手術によって取り除き、放射性ヨードを内服し、ホルモン療法を行う方法です。放射性ヨードは特徴的な甲状腺がん治療です。甲状腺はヨードを栄養としてホルモン分泌などを司っているので、放射能を放出するヨードを飲むことで体内に残った癌細胞を攻撃します。

ホルモン療法は、甲状腺ホルモンががん細胞を増やしてしまう恐れがあるので、甲状腺ホルモンの分泌を抑えるために行います。 というのも、甲状腺ホルモンががん細胞を増やしてしまう恐れがあるからです。

そのほか癌の種類によって他の治療を選択する場合もあります。

  • 予後

甲状腺に発生するがんの95%を占める分化がんである甲状腺乳頭癌、甲状腺濾胞癌の10年生存率は、甲状腺乳頭癌で90%前後、 甲状腺濾胞癌は100%なので、がんといってもあまり悲観することは無いといえます。

60歳前後に多く見られる低分化がんの5年生存率は50~60%で、甲状腺髄様癌の10年生存率は70%前後です。

甲状腺未分化癌の原因・症状・治療法や予後

  • 原因

甲状腺癌の1%とまれな癌ですが、いきなりできるのではなく、長年にわたり存在していた乳頭癌や濾胞癌の性質が、突然未分化癌に転化します。

  • 症状

年配の方に多く、突然甲状腺の腫瘤が急速に大きくなり、痛み、呼吸困難、かすれ声などを伴う場合もあります。

  • 治療法

きちんと癌を取り残すことなく手術し、放射線や化学療法を行えれば、長い間の生存も可能です。

  • 予後

甲状腺に発生するがんで一番生存率が低いのは、高齢の方に好発する未分化がんです。周囲への浸潤も非常に強く治療が困難で進行が早いため、余命1年以内と宣告される場合がほとんどです。

甲状腺癌の転移

分化がんの場合、病巣を完全に摘除できたときには、ほとんど治りますが、放置すれば甲状腺外の筋層、気管、食道、反回神経(声を出す神経)などへ浸潤し、転移は反対側の腺葉、両側の頸部リンパ節、肺や骨へ拡がります。

未分化癌は最初に診断された時点でも遠隔転移(肺や骨への転移)が存在することが非常に多く、放射線被爆後20年も経ってからでも発生することがあります。