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甲状腺機能低下症/橋本病

甲状腺機能低下症(橋本病)は甲状腺機能が低下して全身の代謝が低下するために体のさまざまな機能が低下します。こちらでは甲状腺の病気の中でも代表的な「甲状腺機能低下症(橋本病)」の原因・症状・治療法などについて解説します。

代表的な甲状腺の病気 甲状腺機能低下症(橋本病)

甲状腺機能が低下する原因には、甲状腺そのものが原因であるもの(原発性甲状腺機能低下症)、甲状腺ホルモンは分泌されているのに反応性が低下しているもの(甲状腺ホルモン不応症)、脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)が不足したため甲状腺が刺激されなくなっているもの(中枢性の甲状腺機能低下症)の3つがあります。

中枢性の甲状腺機能低下症はTSHが減少したり、視床下部から分泌されるTSHを刺激するホルモンTRHの減少により起きる病気です。

甲状腺機能低下症(橋本病)の原因・症状・治療法

  • 原因

甲状腺機能低下症(橋本病)の原因には、原発性甲状腺機能低下症(慢性甲状腺炎による甲状腺機能低下症)、先天的なものである、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)、異所性甲状腺腫(正常な位置に甲状腺がなく舌根部分などにある)や、一過性のものである、産後一過性甲状腺機能低下症、破壊性甲状腺炎の回復期があります。

他にも、海草などヨードの取りすぎによる甲状腺機能低下症(摂取制限をすれば改善)、甲状腺の病気の治療による永続性のもの(術後甲状腺機能低下症、アイソトープ治療後甲状腺機能低下症)といった原因があります。

  • 症状

甲状腺機能の低下により全身の代謝が低下します。精神機能の低下で眠気、記憶障害、抑うつ、無気力になり、毛がぬけたり、皮膚は乾燥してカサカサになり、むくみを生じます。声帯がむくんで声がかすれることもあります。

また、消化管運動低下で便秘になったり、心臓機能の低下で脈が遅くなったりします。他に体重増加、悪寒、疲労感もよくみられる症状です。

機能低下が軽度の場合は、診断の決め手とならないため、長期間見逃されていることもあります。

  • 治療法

治療を始める前に一過性の甲状腺機能低下症か、永続性の甲状腺機能低下症かを見極める必要があります。

一過性甲状腺機能低下症の場合

出産後自己免疫性甲状腺症候群を含む無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎の回復期は甲状腺機能低下症を示すことがあるので治療の必要はありませんが、 症状が強ければ血清FT4が正常化するまでの数か月間、合成T3製剤(チロナミン®)を毎日15μg程度内服します。ヨード過剰摂取による場合はヨード摂取を制限します。

永続的甲状腺機能低下症の場合

合成T4製剤(チラーヂンS®)を毎日100〜150μg服用しますが、 少量から開始し、数か月かけて徐々に増やしていきます。60歳未満で心臓や肺に病気がない場合は、最初から維持量を内服しても問題はありませんが、狭心症などの虚血性心疾患を合併している場合は1日12.5μg程度の少量から服用し始めします。