やさしく解説!よくわかる甲状腺の病気
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内服薬

こちらでは、甲状腺の内服薬による治療を紹介し、甲状腺ホルモン薬、抗甲状腺薬など、使用される薬の働きや副作用などを解説します。このページでは薬の効果などを説明していますが、基本的には、医師の診察と処方を基に摂取するようにしてください。

甲状腺の病気の内服薬治療

甲状腺の病気に使われる薬は甲状腺ホルモン剤、抗甲状腺剤、β遮断剤、ヨード剤(ヨウ化カリウム丸)があります。

チラージンなどの甲状腺ホルモン剤

甲状腺ホルモン製剤にはチラーヂンS®【合成T4製剤(levothyroxine)】、チロナミン®【合成T3製剤(liothyronine)】があります。

チラーヂンS®

甲状腺ホルモン剤です。甲状腺に何らかのトラブルが発生していてホルモンが不足している場合、それを補うことができます。

一日1回、25~400μgを服用します。初めは少量から始めて徐々に増やしていくことになるので、医師の指示に従いましょう。

粘液水腫、クレチン病、甲状腺機能低下症といったものだけでなく、甲状腺腫の治療に使われる薬です。

副作用については、ごくまれに胸の痛みや圧迫感、狭心症といった症状を感じることがあるので注意しておきましょう。また、全身のだるさや食欲の低下、低血圧、尿量の低下、肝機能障害や黄疸といったトラブルを感じる方もいます。

他にも人によって違う症状が現れることもあるので、注意深く観察しておきましょう。

チロナミン®

甲状腺ホルモンの製剤です。甲状腺にトラブルがあり、ホルモン量が十分ではない場合にそれを補う役割を持っています。甲状腺機能低下症の他、甲状腺炎、甲状腺腫に用いられる薬で、成人の場合、初回量は主成分として5~25μgを服用するのが基本です。

様子を見ながら少しずつ量を増やすのですが、維持期間になると、1日当たり25~75μgを取り入れます。

副作用として挙げられるのが、発疹や動悸、脈拍の増加や不整脈など。他に不眠や頭痛、めまいのどを感じることもあります。人によっては食欲不振や嘔吐、体重減少などがみられることもあるので、何か通常とは違う症状が出た場合には早めに医師に相談してみましょう。

抗甲状腺剤

バセドウ病の治療を抗甲状腺剤で始めることが日本では一般的です。抗甲状腺剤には、チアマゾール(メルカゾール®)とプロピルチオウラシル(チウラジール®、プロパジール®)の2種類があります。

毎日定期的に内服を始めると、早くて1か月、遅くても3~4か月後に血液中甲状腺ホルモン値が正常になり症状もなくなってきます。

長期にわたって続ける必要がありますが、きちんと内服して甲状腺ホルモンを正常値に保てば、普通の生活ができます。運動、妊娠、出産なども問題ありません。

抗甲状腺剤の副作用

副作用は内服し始めの数か月に多く出ますが、まれに長期経過後でも出現します。

他の副作用としては肝機能障害、無顆粒球症など色々ありますので、何か症状が出たらすぐに医師に相談する必要があります。

メルカゾール®

甲状腺でホルモンが過剰に分泌するのを抑える働きを持っています。甲状腺ホルモンを合成する際には酵素が必要なのですが、それを阻害する役割を持った薬です。

甲状腺機能亢進症の治療に使われるものなので、必要に応じて取り入れていきましょう。

1日6錠を取り入れることになり、これを3~4回に分けて服用します。重症である場合には8~12錠取り入れるのですが、この辺りは医師の判断に従いましょう。

副作用としてはめまいや動機、息切れ、出血しやすくなる、鼻血、冷や汗、発熱といったものが挙げられます。副作用の種類が非常に多く、他にも様々なものが挙げられるので、何かトラブルを感じた際にはメルカゾールの副作用を疑い相談してみましょう。

チウラジール®

甲状腺ホルモンの生合成を抑える働きを持った薬です。これにより甲状腺機能の亢進を抑えることができます。6錠を3~4回に分けて摂取するのですが、重症になった場合には8~12錠取り入れることになるため、医師の指導をよく確認しておきましょう。

妊娠している方や授乳中の方、以前薬を飲んでアレルギー症状などを感じたことがある方は先に医師に相談しておかなければなりません。

副作用としては、発熱やのどの痛み、全身の倦怠感を感じることがあるので、注意しておきましょう。また、鼻血や歯ぐきからの出血、から咳、呼吸困難を引き起こすこともあるので、何か異変があった場合は医師または薬剤師の方に相談してみてください。

プロパジール®

甲状腺機能亢進症の治療に使う薬です。甲状腺ホルモンでは酵素が必要になるので、その酵素の働きを抑えることによりホルモンが過剰分泌されるのを抑えます。

初期量としては、1日6錠を3~4回に分けて服用しましょう。重症の場合は1日8~12錠を服用し、症状がほぼ消失してからは量を減らしていきます

副作用の種類が多いので、服用後に異変を感じた場合は注意が必要です。発熱やのどの痛み、体のだるさといった風邪のような症状の他、めまいや鼻血、歯茎からの出血、あおあざ、皮下出血などを感じることもあります。

他にも特徴的な副作用として、顔に蝶型の赤い斑点ができたり、判断力の低下、考えがまとまらないといった副作用が出ることもある薬です。

β遮断剤

甲状腺ホルモンを減らす薬ではなく、甲状腺ホルモンが非常に多い場合に起きる動悸、手のふるえなどの症状を和らげる薬です。喘息や重症の心不全がある方は、悪化する恐れがあるので使えません。

インデラル

β受容体遮断作用を持った薬で、血圧を低下させる働きがあります。心拍数を下げる働きがあるので、狭心症の発作を予防するのにも役立つ薬です。

軽症~中等症の本態性高血圧症の他、不整脈や狭心症、片頭痛発症抑制などの治療に使われます。成人は1回あたり1~2錠を1日3回服用する形で取り入れ始めることになるのですが、これで十分な効果が得られなかった場合は1日12錠まで増やすなどして様子をみることになるので医師の指導に従いましょう。

副作用としては倦怠感やむくみ、呼吸困難、めまい、立ちくらみなどが挙げられます。息切れ、喘息といった呼吸系の副作用を感じることもあるため、これらの症状がみられた場合は使用を中止し、医師に相談してみてくださいね。

テノーミン

β受容体遮断作用により血圧を低下させる薬です。狭心症の発作を予防するだけでなく、頻脈性不整脈を抑制する働きもあります。

軽症~中等症の本態性高血圧症の他、狭心症、頻脈性不整脈の治療に使う薬です。成人は1回2錠を服用します。ただ、症状や年齢によっても最適な服用方法は異なるので、この辺りは医師の判断に従いましょう。

副作用として挙げられるのが、倦怠感と呼吸困難、全身のむくみなどです。立ち眩み、めまい、湿疹、息切れ、喘息、呼吸困難、皮下出血、鼻や歯ぐきからの出血が起きることもあるため、体調の変化などがあった場合にはいち早く気づけるようにしましょう。

不安なことがあった場合は医師に相談してみてくださいね。

ヨード剤(ヨウ化カリウム丸)

ヨードを大量に服用すると、甲状腺ホルモンの産生がおさえられ、血液中の甲状腺ホルモンの量が減ることになります。バセドウ病の手術前など、急速に甲状腺ホルモンを下げなければならない時に使われます。

ヨウ化カリウム丸

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまっている場合に、それを抑える薬です。痰がでている場合にはこの薬を取り入れることによって気管支粘膜の分泌が促進されるので痰が切れやすくなります。甲状腺機能亢進症を伴う甲状腺腫、慢性気管支炎などの治療に使われるので、症状に合わせて取り入れていきましょう。

1日5~50mgを1~3回に分けて取り入れます。副作用としては結膜炎の他、まぶたの晴れや鼻炎、皮膚の荒れなどが挙げられるので注意しておいてくださいね。

甲状腺のトラブルではアイソトープ治療というものを行うことがあります。ここではヨードの入ったカプセルを内服することになるのですが、ヨウ化カリウム丸にはヨードが含まれているため、アイソトープ治療で使われることも多いです。

アイソトープ治療の詳細については以下のページで詳しくご紹介しているので、参考にしてみてくださいね。

「ヨウ化カリウム丸」の詳細はこちら


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