やさしく解説!よくわかる甲状腺の病気
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症状に応じた検査

甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは体の代謝を調節する重要なホルモンで、全身の代謝を司り、生命活動をする上で欠かせないホルモンです。

そのため甲状腺の病気を発症すると、倦怠感や慢性的な疲労など、体調を顕著にくずしやすくなってきます。こちらで紹介している症状を感じた場合は、まず病院を受診し、病状について検査を行いましょう。ここでは、その検査方法について解説していきます。

甲状腺ホルモン検査以外にどんな検査があるの?

甲状腺の検査には、ホルモン検査、甲状腺の自己抗体、サイログロブリン、超音波検査、頚部レントゲン撮影、ヨード摂取率検査、シンチグラフィー診断、CT撮影、穿刺吸引細胞診などがあります。

ホルモン検査

甲状腺ホルモンT4(サイロキシン:貯蔵型ホルモン)とT3(トリヨードサイロニン:活動型ホルモン)の2種類は甲状腺の濾胞細胞内でヨードを原料として作られます。T4とT3はタンパク質と結合して血液中を流れ、その一部が遊離型ホルモン(FT4、FT3)として全身に作用します。

甲状腺ホルモンの測定は血液中のFT4とFT3の測定で行われ、測定時間は約1時間程度です。

甲状腺ホルモン(T4、T3)は脳の下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)と分泌の調節を行って血液中のホルモン濃度を一定に保っていますが、甲状腺ホルモンが高いバセドウ病では、脳下垂体のTSH分泌が抑制されます。また、橋本病(慢性甲状腺炎)では甲状腺ホルモンが低く脳下垂体でのTSH分泌が抑制されないのでTSHは高値となります。

甲状腺の自己抗体検査

自己免疫性甲状腺疾患であるバセドウ病、橋本病(慢性甲状腺炎)は、甲状腺内にあるタンパク質やホルモン受容体に対し、様々な自己抗体が産生されることが病気の原因なので、これらの抗体の有無を測定することで、疾患の診断が行われます。

自己抗体検査にはサイロイドテスト(ATG、TGPA)、マイクロゾームテスト(AMC、MCPA)、TSH受容体抗体(TRAb、TBII)などがあります。

血液検査で測定されるサイログロブリン

サイログロブリンは血中に分泌される甲状腺ホルモン(T4)の直前の物質です。

甲状腺組織の中に貯蔵され、甲状腺に病気が出現した時に血液のサイログロブリン値が高い値を示します。良性の甲状腺腫瘍、甲状腺乳頭癌、甲状腺濾胞癌、バセドウ病、慢性甲状腺炎などでも値が高くなります。

超音波検査

超音波でしこりの存在の有無とその性状、リンパ節の腫大の有無などが分かります。

超音波だけでしこりの良悪性の確定診断は難しいですが、ある程度の鑑別は可能です。検査時間は甲状腺で10分程度です。

頚部レントゲン撮影

正面と側面の2枚撮影し、石灰化を伴うしこりの診断、気管の変位、狭窄の有無などを診ます。

ヨウ素摂取率検査

甲状腺がヨードを取り込む性質を利用して行う検査で、ヨードの取り込み具合により甲状腺の活動度が判定できます。甲状腺機能亢進症(バセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎)の鑑別に有用です。

シンチグラフィー診断

放射性同位元素(ヨード、タリウムなど)を用いて甲状腺ホルモンを産生するしこりの診断、副甲状腺腫瘍の診断、甲状腺癌の再発診断などを検査します。

CT撮影

レントゲンを用いて甲状腺癌と気管、食道など周囲臓器との関係、リンパ節転移の有無、肺転移など遠隔転移の有無、再発チェックなどを検査します。

穿刺吸引細胞診

甲状腺に細い針を刺して直接細胞をとる検査で、良性・悪性の鑑別には最も診断率が高い検査方法です。

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