やさしく解説!よくわかる甲状腺の病気
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検査と一般的な治療法【甲状腺の病気】

こちらでは、甲状腺の病気が疑われる際に行う検査と治療法について解説しています。

甲状腺の病気の初期症状は、風邪や生理痛などと勘違いをしやすく、「このくらいなら大丈夫…」と病院に行かずに放置しがちです。まずは病院を受診し、適切な治療を受けるようにしてください。適切な治療を早期に受けることで、回復への道のりを大きく前進させることができます。

甲状腺の病気は、検査技術の進化などに伴い、これまで発見できなかった小さな甲状腺腫瘍も発見できるようになったことから、患者数も増加しています。甲状腺の病気は、症状も多岐にわたり、自覚症状の出方も個人差があるため、なかなか気づきにくい病気の一つかもしれません。甲状腺の病気の検査や一般的な治療法についてこのページでは解説します。

20か国以上の国で甲状腺癌患者は増加傾向に

日本国内で甲状腺の病気に罹った人の数は、500〜700万人。そのうち、240万人が治療が必要だと言われています。一方で、厚生労働省の調査では、実際に治療を受けている人はわずか45万人ほどと推測されるのだとか。実に、200万人近い方が、治療が必要にもかかわらず、甲状腺の病気をそのままにしているというのは驚くべき事実です。

首相官邸が発出した「世界の甲状腺癌の現状」に関する声明でも、甲状腺癌患者の増加が指摘されています。

この声明によれば、1985年と2002年を比較すると、世界20か国以上の国で甲状腺癌の患者数は増加しています。この要因としては、検査技術の発達が指摘されています。

出典: 首相官邸公式HP「世界の甲状腺癌の現状」

5月25日は世界甲状腺デー

欧州甲状腺学会は、こうした現状を受けて、2008年に毎年5月25日を「世界甲状腺デー」と定めました。日本甲状腺学会でも、世界甲状腺デーに合わせて、甲状腺の病気に関する情報発信や、検査の推進運動を実施しています。2018年には、神戸や京都、大阪など各地で世界甲状腺デーに伴う講演会を開催。シンボルマークとしてのばたフライリボンを作成し、リーフレットなどの配布を通じて情報発信を行っています。

甲状腺の病気は、個人ではなかなか気づくことができず、知らず知らずのうちに日常生活にマイナスな影響を与えていることが少なくありません。

毎年5月25日は自分の甲状腺の健康について考える。そんなきっかけとして、世界甲状腺デーを活用してみてはいかがでしょうか?

出典: 日本甲状腺学会公式HP「甲状腺疾患啓発・検査推進運動」

【甲状腺の治療】症状に応じた検査

甲状腺の検査には、ホルモン検査、甲状腺の自己抗体、サイログロブリン、超音波検査、頚部レントゲン撮影、ヨウ素摂取率検査、シンチグラフィー診断、CT撮影、穿刺吸引細胞診などがあります。

【甲状腺の治療】内服薬

甲状腺の病気に使われる薬は甲状腺ホルモン剤、抗甲状腺剤、β遮断剤、ヨード剤(ヨウ化カリウム丸)があります。

【甲状腺の治療】アイソトープ

アイソトープ療法(放射線性ヨード内用療法)は、甲状腺細胞がヨードを細胞内に取り込む性質を利用して、放射性ヨードの入ったカプセルを内服することによって、バセドウ病の治療や甲状腺癌の遠隔転移治療を行います。

【甲状腺の治療】ペイト(P.E.I.T )

アルコールの一種であるエタノールを注入して腫瘍を壊死させる治療方法です。腫瘍に直接注入して壊死させる作用と、血管に注射して腫瘍に送られる養分を抑える作用があります。肝臓腫瘍の治療法でしたが、最近は甲状腺腫瘍(結節性甲状腺腫、のう胞)や二次性(腎性)副甲状腺機能亢進症などの治療にも使われています。

【甲状腺の治療】手術

しこりがあまりに大きく他の器官に影響を及ぼしたり、美容的な問題があったり、悪性腫瘍などの場合は手術を行います。手術時間は状態によって大きく変わりますが、甲状腺片葉切除で1.5時間、甲状腺全摘術で約2時間、リンパ節廓清は小さい範囲では片側あたり15分程度、大きな範囲では45分程度です。

【甲状腺の治療】アブレーション

手術によって甲状腺を全摘しても甲状腺組織が残っていることがあるので、これらの組織を破壊し再発を予防する治療です。
手術後に放射性ヨウ素を内服し、身体の中から放射線を当てて取り除いていきます。

【甲状腺の治療】手術ができない場合

悪性腫瘍は手術が必要ですが、腫瘍があっても全て手術で対応できるわけではなく、手術の必要がなかったり手術が効果的でないケースもあります。例えば腫瘍の大きさが1cm 以下の小さいものや、浸潤が酷い場合は手術ができないケースもあります。

【甲状腺の治療】甲状腺の専門医に相談しよう

甲状腺のトラブルを感じた際には、専門家に相談したほうが間違いのない診断を受けることができます。そこで、甲状腺のトラブルが疑われる症状が起きた際に何科に相談に行けば良いのかについてまとめました。

また、甲状腺と間違われやすい病気や症状についても解説しています。

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